Skin Cancer
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一部に線維肉腫様変化を認めた巨大隆起性皮膚線維肉腫の1例
宮本 真由美加藤 雪彦岸田 功典荒井 佳恵泉 美貴堀江 康治坪井 良治三橋 善比古
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2008 年 23 巻 3 号 p. 400-404

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抄録

58歳男性。1年前, 右肩に硬結が出現し, 半年前より急激に増大。初診時, 右肩に手拳大の弾性硬, 表面びらんを伴うパトカーランプ様円柱状紅色腫瘤(6.5×7×5cm)を認めた。生検組織で紡錐形細胞がstoriform patternを呈し, CD34陽性であったことなどから隆起性皮膚線維肉腫 (DFSP) と診断した。入院後, 腫瘍辺縁より2cm離し, 下床は僧帽筋の一部を含めて全摘し, 分層植皮術を施行した。全摘組織の病理はDFSPの所見に加え, 一部に紡錐形細胞の高密度増殖巣がみられた。これらの領域ではinterlacing bundleやherringbone patternを呈し, 細胞分裂像も多く, CD34の染色性も低下していた。このような所見は従来DFSP with fibrosarcomatous changeの名称で報告されてきたものと同一のものと考えた。これまでの本邦報告17例と海外報告例を検討し, DFSPとの違いを考察した。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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