Skin Cancer
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汗腺癌の診断の進歩―エクリン汗腺癌診断の試み―
熊切 正信
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1990 年 5 巻 1 号 p. 39-43

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抄録

汗腺癌の診断は酵素抗体法, 電顕などを駆使した上での腫瘍細胞の分化方向, 分化の程度を尺度にした三島・森鋼の分類もあるが, 日常の診断には無理があり, また腫瘍の分化方向, 分化の程度は同一腫瘍でも場所によって異なる。そこで, 今日でもヘマトキシリン・エオシン染色標本の検討から病理組織学的に診断されることが多い。その場合, 組織像の特徴から二つのグループに分けて考えると理解しやすいことを提唱した。すなわち, 古典的腺癌類似のエクリン汗腺癌のように, 転移癌に酷似した組織像を示す一群と, 悪性エクリン螺旋腫のように既知の良性腫瘍の特徴を一部に, あるいは腫瘍全体が既知の良性エクリン腺腫瘍に類似するグループとに分ける考え方が実際的である。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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