皮膚の科学
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症例
急性汎発性発疹性膿疱症 (AGEP) 発症後,汎発性膿疱性乾癬 (GPP) へ移行した一卵性双生児の兄弟例
渡辺 愛子米田 真理庄田 裕紀子
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2012 年 11 巻 3 号 p. 209-214

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抄録

2歳,一卵性双生児の男児兄弟。感冒のためアモキシシリンを内服した翌日,兄弟ともに 38°C 台の発熱とともに全身に紅斑と小膿疱が出現した。病理組織学的に角層下膿疱を認めた。プレドニゾロンの内服により速やかに皮膚病変は改善し,アモキシシリンのパッチテストでは紅斑と膿疱を認め,これによる Acute generalized exanthematous pustulosis (AGEP) と診断した。その数ヶ月後,弟に特に誘因となる薬剤歴がなく,突然の発熱とともに全身の紅斑と小膿疱の出現を認めた。膿海も認め,膿疱性乾癬と診断した。3ヶ月後,同様の症状が兄にも生じた。ともにシクロスポリンの内服により皮疹は改善したが現在も再燃を繰り返している。AGEP と乾癬の関連については一定した見解はないが,一卵性双生児に両疾患を生じたことより,何らかの共通した遺伝的素因の関連があるのではないかと予測される。(皮膚の科学,11: 209-214, 2012)

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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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