皮膚の科学
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塩基性線維芽細胞増殖因子によるケロイド治療の可能性に関する基礎的検討
安部 正敏横山 洋子上原 顕仁石川 治
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2012 年 11 巻 Suppl.17 号 p. 27-33

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抄録

近年,塩基性線維芽細胞増殖因子 (bFGF) は,創傷治癒の質的改善いわゆる scarless wound healing をもたらすことが臨床的に明らかとなり,ケロイドや肥厚性瘢痕に対する臨床応用への可能性が期待される。そこで今回我々は,ケロイド病変部線維芽細胞含有コラーゲンゲルを用いて,bFGF のケロイドへの効果に関する基礎的検討を行った。その結果,bFGF はケロイド由来線維芽細胞含有コラーゲンゲル収縮を軽度促進した。ゲル中の細胞形態を観察すると,健常人由来線維芽細胞に比較し,bFGF はケロイド由来線維芽細胞の伸展を抑制した。また,これらには Rho Kinase が関与することが示唆された。一方,bFGF はケロイド由来線維芽細胞に対し,アポトーシスを誘導する傾向がみられたが,統計学的有意差はなかった。本研究結果より,bFGF はケロイド由来線維芽細胞に対してアポトーシスを誘導する可能性が示唆された。(皮膚の科学,増17: 27-33, 2012)

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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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