皮膚の科学
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光線療法の出番は?
加茂 敦子冨永 光俊高森 建二
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2012 年 11 巻 Suppl.18 号 p. 13-16

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抄録

アトピー性皮膚炎(AD)は,痒みの難治化により皮疹が増悪する。増悪した皮疹はしばしば赤みを伴い,患者のQOL(quality of life)を障害する。AD 患者に光線療法を行うと,最初に痒みが軽減し,その後皮膚炎の改善を認める。これまで我々は,光線療法がAD 患者で増加した表皮内神経を退縮させること,表皮オピオイド系の発現バランスの破綻を正常化することで痒みを抑制することを明らかにした。AD の赤みに対する光線療法の効果について不明点は多いが,先行研究から光線療法が神経線維,T 細胞等の炎症性細胞に影響を与え,血管新生や血管拡張を誘導する因子を抑えることで赤みを軽減することが示唆される。(皮膚の科学,増18: 13-16, 2012)

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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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