2012 年 11 巻 Suppl.18 号 p. 57-60
アトピー性皮膚炎(AD)の乳児を持つ保護者は病気や治療に対する不安が強いため,当院では2009 年より保護者を対象とした集団指導である『乳幼児アトピー教室』を実施している。この集団指導は「原因・経過の見通し」「ステロイド治療の意味とその方法」「スキンケアと日常生活の注意」「食物アレルギーと離乳食の進め方」について全4 回で完結するものである。全4 回の集団指導の前後でQPCAD を用い保護者のQOL の評価を行ない,介入効果を末梢血好酸球数と血清TARC 値を用い追跡した。この集団教育により保護者のQOL は有意に改善し,臨床所見も顕著な改善を認めた。保護者の心配や不安の軽減により,より良い治療効果へつながることが確認された。(皮膚の科学,増18: 57-60, 2012)