2012 年 11 巻 Suppl.19 号 p. 31-35
ロキシスロマイシンは14員環マクロライドの1つであり,抗生物質としての作用以外にサイトカイン産生抑制,抗酸化,好中球機能抑制などさまざまな作用が知られている。組織にマスト細胞の浸潤が認められた好酸球性膿疱性毛包炎にロキシスロマイシンを投与したところ,効果が見られた1例を経験し,ロキシスロマイシンによるマウス骨髄由来マスト細胞の IL-13,CCL17/TARC,CCL22/MDC 産生調節について検討を行った。ロキシスロマイシンは IL-13,CCL17/TARC,CCL22/MDC いずれの産生も抑制した。今後,マスト細胞が関与した皮膚疾患にロキシスロマイシンの効果が期待される。(皮膚の科学,増19: 31-35, 2012)