皮膚の科学
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症例
転移性皮膚腫瘍に対する Mohs ペーストにより QOL の改善を認めた1例
高岡 佑三子小嶌 綾子濱井 公平松井 美萌堀 哲雄鈴村 雄治
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2013 年 12 巻 3 号 p. 203-206

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抄録

症例は72歳,男性。主訴は右前胸部の多発性紅色結節。右肺腺癌で化学療法中,前胸部結節の拡大を認めたため,当科コンサルトとなった。生検により,肺腺癌皮膚転移と診断した。腫瘍は,次第に中央部に黄色壊死を伴い,拡大し,易出血性となった。今回我々は,腫瘍の固定,感染に伴う悪臭を抑制するため緩和ケアチームと協力し,Mohs ペーストによる処置を実施した。最終的には,不幸な転帰となったが,突出した腫瘍,滲出液や出血,悪臭に悩まされることなく,外出や一時帰宅が可能となり,存命中の QOL の改善に大きく役立った。Mohs ペーストは,他の治療法がない切除不能な皮膚浸潤,出血,疼痛,感染による滲出液や悪臭のコントロールに苦慮する転移性皮膚腫瘍の治療法として,患者の QOL の改善に役立つ点で有用な治療法と考える。(皮膚の科学,12: 203-206, 2013)

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© 2013 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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