皮膚の科学
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症例
イミキモドが有用であった紅色肥厚症の1例
穀内 康人兪 明寿黒川 晃夫森脇 真一
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2014 年 13 巻 1 号 p. 35-39

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抄録

73歳,男性。2ヶ月前より亀頭部から包皮にかけてビロード状外観を呈する紅斑が出現したため当科を受診した。皮膚生検にて角質層の錯角化がみられ,表皮は不規則に肥厚し,全層性に異型ケラチノサイトの増殖や核分裂像が散見された。また皮疹より HPV が検出されたことから,臨床像,病理組織像とあわせて本症例を Queyrat 紅色肥厚症と診断した。患者の希望により,非外科的治療法の1つである週3回のイミキモド療法を開始したところ,計16週間外用後では病変は残存していたが,計29週間外用後,皮疹は消褪し病理組織学的に異型ケラチノサイトの消失を確認した。治療中止後11ヶ月が経過した現在,皮疹の再発はみられない。イミキモド外用療法は Queyrat 紅色肥厚症に対して,今後有効な治療法となる可能性が示唆された。(皮膚の科学,13: 35-39, 2014)

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© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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