皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
幼少期より長期間にわたって持続した偽リンパ腫
奥村 恵子鈴木 悠花松澤 有希大歳 晋平中田 土起丈
著者情報
ジャーナル 認証あり

2014 年 13 巻 2 号 p. 103-107

詳細
抄録

14歳,女児。9年前に左下腿に皮疹が出現し,成長に伴い増大した。左下腿屈側に 100×74mm の暗紅色から暗紫紅色の紅斑局面を認めた。病理組織学的には真皮上中層に小型の lymphoid cell の帯状浸潤を呈し,浸潤細胞には核が不整で大型の異型細胞が混在していた。浸潤細胞の大部分はTリンパ球で CD4+ と CD8+ が混在し, PCR 法で単クローン性増殖は認められなかった。Acral pseudolymphomatous angiokeratoma of children や pagetoid reticulosis と鑑別して偽リンパ腫と診断し,ステロイド外用および PUVA 療法を開始したが,今後も慎重な経過観察が必要と考えられる。(皮膚の科学,13: 103-107, 2014)

著者関連情報
© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top