皮膚の科学
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症例
テラプレビルを含む3剤併用療法による慢性C型肝炎治療中に生じた多形滲出性紅斑型薬疹の1例
羽田 孝司夏秋 優谷口 怜子山西 清文齋藤 正紀
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2014 年 13 巻 2 号 p. 79-83

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抄録

57歳,男性。慢性C型肝炎に対してペグインターフェロン α-2b,リバビリン,テラプレビルの3剤併用療法を開始し,約7週間後から全身にそう痒を伴う浸潤性紅斑が出現した。皮疹部の生検所見は多形滲出性紅斑型の組織像であった。被疑薬を中止した上で,ステロイド薬全身投与を行い,皮疹は軽快した。リバビリン,テラプレビルおよびオキシプリノールによるパッチテスト,リンパ球刺激試験はいずれも陰性であった。テラプレビルを除いた2剤で治療を再開したが,軽度の紅斑が出現したのみで,外用ステロイドでコントロール可能であった。このことから,本症例において,テラプレビルの併用が薬疹の重症化に関与したと考えた。(皮膚の科学,13: 79-83, 2014)

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© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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