皮膚の科学
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症例
Basal cell carcinoma を併存した多発性 trichoblastoma の1例
清水 博子黒川 晃夫森脇 真一辻 求
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2014 年 13 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

70歳,男性。20年前より顔面に多発する隆起性皮疹に気づき,それらが徐々に増大してきた。初診時,左鼻唇溝上に径 26×12mm 大の有茎性結節が,それに近接して 10mm 大までの小結節が存在し,いずれも暗赤色で一部黒色を呈していた。また,左右の鼻背外側,鼻翼部周囲,一部頬部に 10mm 大までの常色から黒色の丘疹もしくは結節が多発しており,それらは一部融合していた。皮膚生検にて左鼻唇溝の結節は basal cell carcinoma,また周囲の多発性丘疹もしくは結節は trichoblastoma と診断し,腫瘍の全切除術を施行した。両者はいずれも胎生期毛芽由来の腫瘍とされ,疾患関連性が高い。今回我々は basal cell carcinoma を併存した多発性 trichoblastoma の1例を経験した。両者は同一スペクトラム上の疾患であると報告されており,我々もそれらの病因に関して偶然の併発というよりは同じ発症因子,転換や移行の可能性を考えた。(皮膚の科学,13: 97-102, 2014)

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© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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