2014 年 13 巻 4 号 p. 285-289
29歳男性の毛巣洞再発例について報告した。術前にコンピュータ断層撮影と核磁気共鳴画像法で仙骨部に再発した病変を検討し,瘻孔の大きさ,先天奇形がないこと,筋膜や骨に浸潤がないことを確認した。瘻孔部にクリスタルバイオレットを注入し,周囲正常組織を含め病変の残存がないように切除した。病理組織像で表皮と連続し多数の毛髪を含む瘻孔の形成と,その周囲に好中球,リンパ球,形質細胞などの炎症細胞浸潤を確認した。術後には肥満の解消,長時間の座位の回避などの生活指導を実施した。毛巣洞では,術前の画像評価,肉芽組織を含めた瘻孔の完全な切除,術後の生活指導が重要であると考えられた。(皮膚の科学,13: 285-289, 2014)