皮膚の科学
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アトピー性皮膚炎の長期予後
片桐 一元
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ジャーナル 認証あり

2014 年 13 巻 Suppl.21 号 p. 11-14

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抄録

アトピー性皮膚炎は乳児期から成人,高齢者に至るまで幅広い年齢層に生じる疾患であり,いったん寛解した後に再発すること加わり,正確な予後を知ることが難しい。本稿では乳児期から就学前,小学生から20歳前後,成人に大別し,疫学調査による有病率とその推移,あるいは同一の施設や地域での追跡調査を基に推測される予後を集積した。罹患率は1歳時が最大だが,1歳半で寛解する群があり,3歳時にはやや増加し,その後漸減する。就学時には10-15%の罹患率だが12歳あるいは18歳頃まで漸減し,20歳前後以降で増加している可能性が高い。追跡調査による20歳以上の患者が45歳程度になった時点の寛解率は40%であり,57歳時での有病率は53%と高い水準を維持している。中でも12%程度の重症患者は長期間にわたり病勢が維持されている。早期発症,重症,喘息・鼻炎の合併や家族歴,多種の抗原特異的IgEの存在,成人期での顔面,頚部の皮疹の存在などが予後悪化因子である。(皮膚の科学,増21:11-14, 2014)

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© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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