皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
当院におけるマムシ咬傷22例の臨床的検討
―乾燥まむしウマ抗毒素の投与時期とその後の経過について―
茂木 紫村手 和歌子佐々木 良輔鈴木 加余子松永 佳世子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2017 年 16 巻 2 号 p. 113-119

詳細
抄録

当院で7年間に経験したマムシ咬傷22例について,臨床症状や治療などについて検討した。CPK 値が上昇した8例中6例で,CPK 値が最高となったのは受傷24時間以降であり,初診時の CPK 値から重症度や予後を予測することは困難であった。乾燥まむしウマ抗毒素は重症化を予防すると考えられているが,投与後のアナフィラキシーショックや血清病が問題となる。当院ではステロイド薬の前投与を行っており,22例中21例で乾燥まむしウマ抗毒素を使用した。全例で副作用はみられなかった。乾燥まむしウマ抗毒素の投与が遅れると重症化する傾向があり,早期に投与することで進行や重症化を予防できると考えられる。(皮膚の科学,16: 113-119, 2017)

著者関連情報
© 2017 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
次の記事
feedback
Top