皮膚の科学
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症例
二度のマイコプラズマ感染により異なる皮膚粘膜症状を呈した小児例
髙山 恵律子上村 義季近藤 淳吉川 大和瀬戸 英伸
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2017 年 16 巻 6 号 p. 422-426

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抄録

8歳,男児。マイコプラズマ感染によると考えられた Stevens-Johnson 症候群を発症した。高熱と咳嗽を伴い,皮膚の紅斑と水疱はごく少数であったが,眼,口唇・口腔,陰部の粘膜症状が重症で2度のステロイドパルス療法および免疫グロブリン投与を要した。翌年,マイコプラズマに再び感染した。その際は咳嗽に続き高熱と,全身に猩紅熱様の紅斑を生じたが,粘膜症状はごくわずかで,ステロイド外用のみで速やかに軽快した。マイコプラズマの再感染時,Stevens-Johnson 症候群や多形紅斑を再発した報告は少数あるが,本例のように表現型が異なる皮膚粘膜症状を呈した報告は過去に見出せなかった。ただしマイコプラズマ感染による皮膚粘膜症状は多彩であり,マイコプラズマ感染と因果関係が広く知られた症状と異なる場合や,皮膚粘膜症状が複数回生じた場合,上気道症状を伴わない場合等は,マイコプラズマ感染の検索が見落とされやすく注意が必要である。マイコプラズマ感染に伴う皮膚粘膜症状はおもに宿主免疫応答により生じるといわれるが,加えて遺伝的要因,菌株要因など多要因の関与が推察された。(皮膚の科学,16: 422-426, 2017)

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© 2017 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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