2018 年 17 巻 4 号 p. 206-209
10歳代,男性。掌蹠にそう痒感と角化を伴う紅色局面が出現した。1年半前から近医受診しステロイド外用薬にて症状は軽度改善したが治療を中止すると再燃するため紹介となった。初診時,左掌蹠・両足底に角化を伴う紅色局面を認めた。発症年齢,臨床所見,病理組織学的所見から小児毛孔性紅色粃糠疹と診断した。ステロイド外用薬のみでは難治であったが,活性型ビタミン D3/ステロイド配合外用薬で皮疹はほぼ消失した。難治な小児毛孔性紅色粃糠疹に対して,活性型ビタミン D3/ステロイド配合外用薬は有効な治療法と考えた。(皮膚の科学,17: 206-209, 2018)