皮膚の科学
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症例
メトトレキサート治療中の関節リウマチ患者において 特異な臨床像を呈した伝染性軟属腫の 1 例
原 真理子加藤 陽一大橋 理加辻岡 馨山崎 文夫
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2018 年 17 巻 6 号 p. 337-342

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抄録

70歳代,男性。関節リウマチに対して 1 年半前よりメトトレキサート(MTX)で治療されていた。 4 ヶ月前に顔面に紅色丘疹が多発し,細菌性毛包炎として抗菌薬を投与されたが,無効だった。 2 ヶ月前から伝染性軟属腫としてヨクイニンの内服や物理的摘除,凍結療法による加療を受けたが効果が上がらず,10日前には MTX の投与を中止された。初診時,顔面に瘙痒を伴う100個以上の半米粒大までの紅色ないし常色の丘疹が集簇性ないし散在性に拡がり,膿疱,痂皮を伴う皮疹もあった。頸部,上肢にも紅色丘疹が散見された。HIV 抗原および抗体,HTLV-I/II 抗体は陰性だった。病理組織学的には,真皮内に角化細胞の結節状の増殖病変が存在し,細胞質内に楕円形の好酸性封入体を含む大型角化細胞が多数認められ,周囲に著明な炎症細胞浸潤を伴っていた。イミキモド 1 1 回週 3 日の外用を 4 週間継続したところ皮疹は消褪傾向を示し,その 4 週間後にはほぼ消失した。その後再発していない。MTX による免疫抑制を背景に発症した成人例であるが,炎症性伝染性軟属腫の皮疹が優位を占め,髭剃りによりウイルスが播種されたため尋常性毛瘡を思わせる特異な臨床像を呈したと推測した。MTX 投与中止の効果が徐々に現れてきた,あるいは自然消退が起こる時期に差し掛かっていた可能性はあるが,イミキモドの外用は有用だったと考えた。 (皮膚の科学,17 : 337-342, 2018)

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© 2018 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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