皮膚の科学
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症例
産後に急性腹痛を認めた遺伝性血管性浮腫の 1 例
松田 智子神戸 直智中谷 佳保里合田 遥香野村 祐輝山﨑 文和堀内 孝彦岡本 祐之
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2018 年 17 巻 6 号 p. 343-346

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抄録

30歳代,女性。 8 歳頃から四肢に浮腫が生じ, 3 4 日で自然軽快するエピソードを繰り返していた。補体 C4 の低下と C1 インヒビター(C1-INH)活性の低下を認め,遺伝性血管性浮腫の診断で経過をみられていたが,本人が C1-INH 補充療法をためらい,腹痛発作時にはステロイド投与で対応されていた。出産に伴う転居を機に当院に紹介となった。産後 2 週間目に嘔気と嘔吐を伴う激しい腹痛発作を認め,当院を緊急受診した。腹部 CT では腹水貯留と著明な腸管浮腫がみられた。症状が強かったため,本人の同意を得て C1-INH 製剤を投与したところ,症状は30分程度で劇的に改善した。 孤発例であったため遺伝子解析を行ったところ,C1-INH 遺伝子の変異(M470K)を確認した。遺伝性血管性浮腫は,急性腹症として医療機関を受診するケースも多く,発作時の緊急対応が迅速に行えるよう,施設内での徹底した情報共有が重要である。 (皮膚の科学,17 : 343-346, 2018)

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© 2018 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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