皮膚の科学
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研究
高齢者施設職員におけるスキンケア教育研修受講前後の 意識と行動変化に関するアンケート調査
常深 祐一郎岸田 百世藤本 盛揮
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2019 年 18 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

高齢者施設の看護職員および介護職員が皮脂欠乏症やその治療方法に関する正しい知識を学習する機会をもつことで,入居者の皮膚の状態に対する意識や行動が変化し得るか否かを検討するため,スキンケア教育研修とその前後におけるアンケート調査を実施した。アンケートの回答者数は,看護職員が11名,介護職員が58名であった。調査の結果,介護職員では保湿剤の塗布方法に関する理解度が向上し,入居者の皮膚の状態を観察する回数や保湿剤の塗布量,乾燥・痒みの程度を確認する回数が増えた。看護職員においても保湿剤の塗布方法に関する理解度の向上がみられた。さらに,半数近くの看護職員が入居者の皮膚に対する介護職員の関心の高まりや医師・介護職員との連携の改善を実感した。以上より,高齢者施設に勤務する職員に対してスキンケアに関する教育研修を行うことで,受講者の意識や行動に好影響を及ぼし得ることが示された。 (皮膚の科学,18 : 1-14, 2019)

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© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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