皮膚の科学
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症例
四肢の浸潤性紅斑が診断契機となったメトトレキサートによる急性毒性の 1 例
西田 麻里奈今西 明子前川 直輝多田 昌弘深井 和吉
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2019 年 18 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

80歳代,女性。既往歴 : 高血圧, 2 型糖尿病。関節リウマチに対して,メトトレキサート(以下MTX)を 3 年前から内服していた。初診 4 日前に四肢体幹に瘙痒を伴う浸潤性紅斑が出現し, 2 日後に口腔内の疼痛で食事摂取不良となった。初診時,四肢体幹に浸潤性紅斑と口腔内にびらんが多数あり,血液検査では汎血球減少と腎機能障害があった。病理所見では,液状変性と真皮浅層にリンパ球と好酸球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた。MTX による急性毒性と診断し,MTX を中止し拮抗薬の葉酸製剤を投与した。入院翌日に皮疹は軽快し,第 8 病日には汎血球減少も回復し葉酸製剤の投与を終了した。急性毒性の原因として,MTX や葉酸製剤の誤用はなく,併用薬と高齢者,腎機能低下によるものと考えた。MTX による皮膚障害は他の副作用と比べ早期に出現し,自覚しやすい。 我々は MTX で紅斑やびらん,皮膚潰瘍が出現しうることを熟知し,速やかに MTX の中止と葉酸製剤の投与を行うことが大切である。 (皮膚の科学,18 : 22-26, 2019)

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© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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