皮膚の科学
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症例
骨髄異形成症候群(MDS)に合併した壊疽性膿皮症の1例
—症例報告とneutrophilic dermatosesに関する考察—
宮田 明子夏秋 優喜多野 征夫
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2003 年 2 巻 4 号 p. 300-304

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抄録

46歳,女性。1983年より骨髄異形成症候群に罹患し加療中であった。1993年12月頃より左前腕に有痛性の結節が出現し,潰瘍化した。1994年1月24日の初診時,左上肢に黒色痂皮を付着した不整形の潰瘍を認め,周囲に浸潤性紅斑が生じていた。組織所見では表皮の変性と真皮全層の密な好中球浸潤および核破壊像がみられたため,壊疽性膿皮症と診断した。これらの皮疹はプレドニゾロン30mgにていったん軽快したが,1994年7月より再燃し,ステロイド療法に反応せず,脳梗塞を併発し死亡した。症例報告と共に neutrophilic dermatosesの概念について考察を加えた。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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