2003 年 2 巻 4 号 p. 318-321
症例は76歳,男性。平成10年11月頃より左口角部に腫瘤を自覚し,急激に増大してきたため近医受診,SCCが疑われたが,高度の閉塞性肺障害があり,全身麻酔による手術は,かなりの危険性を伴うため当院に平成11年1月6日に紹介された。来院時,左口角部に4cm×5cm,高さ4cmで表面に一部壊死を伴うカリフラワー状の腫瘤が存在し,口腔内まで連続して存在していた。生検にてverrucous carcinomaと診断した。治療として放射線療法(計60Gy)と化学療法(Carboplatin計350mg)の併用療法により腫瘤は著明な縮小を認めた。残存する腫瘍は局所麻酔下に摘出した。退院後約3年経過したが,腫瘍の再発は認めない。