2003 年 2 巻 Suppl.3 号 p. A31-A35
アレルゲン除去食療法の治療効果について臨床研究論文を中心に評価をおこなった。小児では,ランダム試験での除去食療法の皮疹改善効果ありとするものが5/8論文あった。研究方法,評価に多少問題があり,十分なエビデンスではなかったが,おもに乳幼児では評価された。リスク児における生後の母子の除去食によるアトピー予防効果のエビデンスがあったが,長期効果はなく,妊娠中の除去食の効果はなかった。対照のない多くの臨床検討での改善率は高かったが,エビデンスの確認が困難であった。幼児において誘発テスト,パッチテスト,リンパ球反応で食物アレルゲンの関与が報告されているが,除去食効果が十分評価できる論文はなかった。