皮膚の科学
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症例
右大腿部に丘疹が癒合した浸潤を触れる局面状のサルコイドーシスを呈した1例
香川 奈菜中嶋 千紗臼居 駿也加藤 麻衣子大塚 篤司
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2025 年 24 巻 4 号 p. 363-368

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抄録

83歳,女性。初診の4年前,他院にて右大腿の疣贅状腫瘤を有棘細胞癌と診断され,腫瘍切除術と全層植皮術が施行された。経過は良好であったが,初診の1 年前より植皮部周囲に浸潤を伴う紅斑と紅色丘疹が出現し,副腎皮質ステロイド外用剤治療に抵抗した。紅斑部からの生検により皮膚サルコイドーシスが疑われ,当科へ紹介となった。当科でも紅斑部の再生検を行い,類上皮細胞性肉芽腫を認めたため皮膚サルコイドーシスと診断した。さらに,他院における初回腫瘤部の病理組織標本を再検討したところ,表皮の偽上皮腫性過形成と乾酪壊死を伴わない類上皮細胞性肉芽腫が認められ,有棘細胞癌ではなくサルコイドーシスであった可能性が示唆された。皮膚サルコイドーシスは臨床像が多彩であり,疣贅型や過角化型を呈する場合,真皮浅層のみの生検では有棘細胞癌との鑑別が困難となることがある。本症例は,反応性偽上皮腫性過形成を伴う疣贅型皮膚サルコイドーシスが有棘細胞癌と鑑別が困難になり得ること,また術後の植皮部に紅斑が出現した際にはサルコイドーシスも鑑別に挙げるべきことを示す症例と考えた。(皮膚の科学,24 : 363-368, 2025)

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© 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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