皮膚の科学
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症例
歯科用根管治療剤中のホルムアルデヒドによる蕁麻疹の1例
小田 香織橋本 佳子磯貝 理恵子荒金 兆典川田 暁手塚 正
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2004 年 3 巻 3 号 p. 271-274

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抄録

20歳女性。歯科にて2回目の根管治療を受けた4~5時間後,顔面に膨疹が出現した。3回目の治療を受けた2時間後に全身に膨疹,熱感,痒みが出現し,全身倦怠感,灼熱感を伴っていた。根管治療に用いられたホルムアルデヒドとグアヤコールについてプリックテストとパッチテストを行った。ホルムアルデヒドの1%,5%水溶液のプリックテストで即時型反応陽性で,ホルマリン特異的IgE抗体の上昇も認められた。以上より自験例を歯根管治療に使用されたホルムアルデヒドによる蕁麻疹と診断した。ホルムアルデヒドによるI型アレルギーは比較的まれであり,全身症状を伴うことがあるので注意が必要と思われた。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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