皮膚の科学
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症例
手術療法と術後の電子線治療が奏功した皮膚原発 Anaplastic Large Cell Lymphoma
梅原 真紀子速水 淳史中東 祐子黒川 一郎楠本 健司
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ジャーナル 認証あり

2004 年 3 巻 5 号 p. 493-496

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抄録

症例は62歳,男性。手術療法と術後の電子線治療が奏功した皮膚原発anaplastic large cell lymphoma(ALCL)の1例を報告する。左肩甲部に存在する直径25mm大の扁平隆起性結節は3cm腫瘍辺縁より離して,切除された。病理組織学的にCD30陽性のanaplastic large cellの稠密な浸潤が真皮全層にわたり,みとめられた。術後,腫瘍のあった部位に4MeVの電子線治療(30Gy)の放射線治療が行われた。現在に至るまで臨床的に腫瘍の再発はみられていない。今回の症例は術後における付加的な放射線治療が腫瘍の局所再発防止に有用である可能性を示唆している。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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