皮膚の科学
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症例
スルピリンによるアナフィラキシー型薬疹の1例
―ピリン系薬剤およびピリン疹の変遷を交えて―
吉崎 仁胤清水 秀樹原田 晋
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2004 年 3 巻 6 号 p. 551-554

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抄録

22歳,女性。近医でスルピリン(メチロン®)筋注を受けたところ約5分後より全身に膨疹および軽度呼吸困難を生じたため,当院救急外来受診。ステロイドの点滴により諸症状はすみやかに消退した。スルピリンの皮内テストで陽性を示し,自験例をスルピリンによるアナフィラキシー型薬疹と診断した。ピリン系薬剤はその強力な解熱鎮痛作用から20世紀半ばまで頻用されていたが,1960年代を中心にピリン系薬剤による死亡事故が相次いだ。このような背景から近年ピリン系薬剤の使用頻度は減少しているものの,未だ解熱目的でピリン系薬剤の注射薬剤が使用されることは多く,アナフィラキシーショックの発症のリスクも念頭におく必要があると考える。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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