皮膚の科学
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症例
けいれんや知能障害を認めなかった結節性硬化症
横山 愛落合 豊子平山 晃康
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キーワード: 結節性硬化症, CT, MRI
ジャーナル 認証あり

2005 年 4 巻 3 号 p. 259-262

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抄録

てんかんや知能障害を伴わず,31歳で確定診断しえた結節性硬化症の1例を経験したので報告する。当科受診時,皮膚症状として顔面の血管線維腫と3個の白斑を認めた。
CTでは側脳室に接して尾状核に石灰化を認め,脳室上衣下結節と診断された。これは無症候性で19歳時施行されたMRIでは気づかれなかった。自験例の診断が遅れた理由として,1)けいれんの既往や精神発達の遅延がなかった。2)MRIで診断しうる大脳皮質の病変を認めず,3)顔面の血管線維腫が比較的軽度で病識に乏しかった等が挙げられる。てんかんや知能障害がない結節硬化症を診断するには詳細な皮膚症状の観察と,CT及びMRI両者による評価が重要である。

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© 2005 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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