2005 年 4 巻 6 号 p. 521-526
2002年5月から2005年6月までの間,当科で経験した悪性黒色腫に対して行った13例のSentinel Node Navigation Surgery(SNNS)について検討を行った。経過観察期間は平均19.5ヵ月でSNNS後転移を認めたのは2例であった。色素法と術前シンチグラフィーと術中ガンマプローブの併用によりSentinel Node(SN)は100%同定された。SNの平均個数は2.3個であり,SN転移陽性率は8%であった。またSNが転移陰性であり,Non Sentinel Node(Non SN)に転移のあった症例,すなわちFalse negative例はなかった。Tumor thickness(TT)が1mm≧ではSN転移陽性の症例はなく,TT:1mm≦では陽性率が上がるため,TT:1mm≦の症例がSNNSの適応となると考えられた。SNNSは手術侵襲の軽減や予後を判定する上で非常に有用であると思われたが,今回検討した症例数は少ないため今後さらに症例を蓄積し検討したい。