皮膚の科学
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セッション4 皮膚検査
末梢血好塩基球からのヒスタミン遊離試験によるアトピー性皮膚炎患者の汗に対する過敏性試験
田中 稔彦田中 暁生石井 香秀 道広
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ジャーナル 認証あり

2005 年 4 巻 Suppl.5 号 p. A128-A131

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抄録

アトピー性皮膚炎患者には,汗が皮疹の悪化因子と考えられる症例が多い。しかし汗に対する過敏性を証明するためには,患者毎に本人から運動あるいはサウナ浴によって汗を採取し,それを濾過滅菌した後に皮内テストを行うことが必要であった。このテストでは汗の採取にかかる負担が大きく,また皮内注射する汗の組成は一定しないために,反応の有無はもちろん個人間の反応の大きさを比較することができなかった。そこで我々はこの点を克服するため,健常人から集めた大量の汗からアトピー性皮膚炎患者に即時型反応を惹起する抗原を部分精製し,それを用いた患者末梢血好塩基球からのヒスタミン遊離試験法を確立した。この試験によって汗に対する反応性の程度を個体間,あるいは時系列で比較することが可能となった。さらには少量の血液を多検体同時処理できるシステムを開発し,日常の臨床検査に耐えうる汗過敏性試験の確立を試みている。

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© 2005 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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