2005 年 4 巻 Suppl.5 号 p. A99-A104
アトピー性皮膚炎におけるイソジン消毒療法に対し抵抗感をもつ皮膚科医は多い。それはイソジンの刺激性とアレルギー感作性を危惧してのことであるが,使用法を正しくすればそれらの心配は杞憂である。今回10歳未満のアトピー性皮膚炎患児の保護者に対し,イソジン消毒療法の評価を尋ねたところ好感をもつものが多かった。また皮膚症状別の効果を尋ねたところ,湿潤,掻破痕,紅斑,丘疹などに対する評価が高く,乾燥,落屑,浮腫などに対する評価は低かった。黄色ブドウ球菌のより多く繁殖すると思われる皮膚症状において評価が高かったことは,その効果に客観性があることを示すと考えられる。