皮膚の科学
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症例
眼瞼部脂腺癌の2例
横井 祥子梅川 俊樹新関 寛徳波床 光男浅田 秀夫宮川 幸子
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2006 年 5 巻 2 号 p. 167-171

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抄録

症例1,64歳女性。初診2年前より左上眼瞼部睫毛より結膜側に黄色小結節が出現,漸次拡大した。瞼板を含め腫瘍切除術を施行して,組織像に腫瘍細胞による大小の胞巣形成を認めた。腫瘍細胞は泡沫状の細胞質を有する異型細胞で,ズダンIV染色陽性であり,睫毛と連続性を認めた。
症例2,83歳男性。初診半年前より右上眼瞼外側に紅色有茎性の小結節が出現。漸次拡大したため,近医眼科にて切除後,当科に紹介されて受診した。組織像では大小の胞巣内に症例1と同様の異型細胞の増殖を認めた。睫毛との連続性は認めなかった。
2例とも組織像より眼瞼部脂腺癌と診断した。また,どちらもMeibom腺との連続性がないことから,症例1をZeis腺由来,症例2を眼瞼部皮脂腺由来の脂腺癌と診断した。

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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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