皮膚の科学
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症例
Muir-Torre症候群の1例
藤原 美智子大津 詩子森脇 真一清金 公裕徐 信夫
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ジャーナル 認証あり

2006 年 5 巻 6 号 p. 406-410

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抄録

64歳,男性。初診の10日前に下顎部及び左鼻孔部の腫瘤に気づき当科を受診した。初診時,下顎部及び左鼻孔部にそれぞれ直径約10mmと5mmの淡褐色の結節が存在した。下顎部および左鼻孔部の結節を摘出したところ,病理組織学的に腫瘍は皮膚面から乳頭状に突出し,大小の小葉構造より構成され,その小葉中央部には細胞質に泡沫状構造を持った脂腺細胞類似の細胞,小葉辺縁部にはクロマチンに富んだ核を有する基底細胞類似の細胞が認められたことから,本腫瘍を脂腺腫と診断した。また患者は直腸癌と膀胱癌を合併していることより本腫瘍をMuir-Torre症候群と考えた。

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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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