2006 年 5 巻 Suppl.7 号 p. B47-B51
皮膚アレルギー疾患の中で,アトピー性皮膚炎は遺伝的素因に基づく多病因性の疾患であり,疾患そのものを完治させうる薬物療法は現時点ではない。よって対症療法を行うことが原則となる。我が国ではアトピー性皮膚炎治療ガイドラインが作成され,日常診療に寄与している。アトピー性皮膚炎の炎症に対してはステロイド軟膏ならびにタクロリムス軟膏による外用療法が主として用いられている。現時点ではステロイド軟膏とタクロリムス軟膏をいかに上手に組み合わせて,副作用が少なくしかも効力を最大限にできるかを患者ごとに工夫する必要がある。