2007 年 6 巻 1 号 p. 16-21
症例は21歳,女性。中学生頃より頚部,両肘窩にそう痒を伴う紅斑が出現し,アトピー性皮膚炎と診断されたが,皮疹はステロイドの外用で軽快していた。平成18年5月末,頚部,両肘窩,両手首の紅斑に対し,市販のブフェキサマク含有軟膏,紫雲膏,テトラサイクリン含有軟膏を外用したが,皮疹は軽快しなかった。6月16日より,近医皮膚科で処方されたブフェキサマク含有軟膏を頚部,両肘窩,両手首に外用すると皮疹が増悪し,全身に紅斑が拡大した。パッチテストを行ったところ,ブフェキサマク,紫雲膏が陽性であった。以上より自験例をブフェキサマクと紫雲膏による接触皮膚炎と診断した。なお,紅皮症をきたした主な原因はブフェキサマクであったと推察された。