77歳,男性。4年前に尋常性乾癬と診断され近医にて加療中であった。経過は良好であったが,2006年1月より全身に紅斑,水疱が出現したため当科を受診した。病理組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGの線状沈着がみられた。蛍光抗体間接法でIgG抗表皮基底膜部抗体が陽性で,1M生理食塩水剥離皮膚では真皮側に反応した。抗p200類天疱瘡が強く疑われたが,免疫ブロット法,ELISA法ではBP180,BP230,p200いずれも陰性であった。ステロイド内服,血漿交換により完全に皮疹は消退した。ステロイド減量時に乾癬様皮疹の再燃がみられたが,シクロスポリン内服への変更により皮疹は改善した。