皮膚の科学
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総説
炎症性皮膚疾患とサイトカイン-Th17と関連した話題-
長谷川 稔
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2007 年 6 巻 5 号 p. 444-451

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抄録

CD4陽性のエフェクターT細胞は,従来よりTヘルパー1型(Th1)とTヘルパー2型(Th2)に分類されてきた。近年,これらとは独立したinterleukin(IL)-17産生性のT細胞サブセットが発見され,Th17と呼ばれるようになった。ナイーブT細胞は,IL-6とtransforming growth factor-βの存在下でTh17サブセットに分化し,IL-23は分化したTh17 の増殖・維持に働く。Th17細胞は,IL-17A,IL-17F, IL-22などのサイトカインを産生することにより,皮膚を含めた多様な臓器の炎症に関与していることが示されている。乾癬における表皮肥厚のメカニズムは明らかでないが,IL-23がTh17を増殖させ,これに由来するIL-22が角化細胞のsignal transduction and activators of transcription(STAT) 3を活性化させることにより生じる可能性が指摘されている。Th17と関連したサイトカインは,乾癬などの皮膚の炎症性疾患の治療のターゲットとなる可能性が期待される。

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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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