皮膚の科学
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症例
弾性線維腫の1例
辻 真紀高橋 祐史今中 愛子井上 千津子
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ジャーナル 認証あり

2008 年 7 巻 2 号 p. 169-173

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抄録

76歳,女性。初診の3年前から右肩甲下部の皮下腫瘤に気付いていた。初診時,直径7cm大の弾性硬の皮下腫瘤を認めた。皮膚との癒着はなく,下床との可動性も認めなかった。MRIにて広背筋と胸郭の間に筋肉と同程度の信号を示す10×17×4cm大の腫瘍を認め,内部は索状に脂肪組織と同程度の高信号を呈していた。全摘目的で全身麻酔下に手術施行したが,腫瘍底面と肋骨との癒着が強く全摘困難のため,部分切除に変更した。病理組織像では線維性結合組織の中に脂肪組織の介在を認めた。またHE染色では好酸性の硝子様物質を多数認め,elastica van Gieson染色で黒褐色に濃染されたことより弾性線維腫と診断した。

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© 2008 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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