2008 年 7 巻 2 号 p. 179-182
85歳,男性。前立腺がんの治療目的で,2000年5月より酢酸リュープロレリン1ヵ月徐放剤の皮下注射を受けていた。2002年11月から同3ヵ月徐放剤の皮下注射に変更したところ,皮下注射部位に一致して皮下結節が出現,徐々に拡大してくるため当科を受診。摘出したところ病理組織像は異物肉芽腫の像を呈しており,酢酸リュープロレリンによる異物肉芽腫と診断した。1ヵ月製剤では肉芽腫の形成を認めず3ヵ月製剤でそれが見られた理由については,薬剤の濃度の違いや基剤の違いが理由に挙げられているがいまだ明確な結論は出ていない。