2009 年 8 巻 1 号 p. 44-48
2歳,男児。1歳3か月時に顔面を含む全身に鱗屑を伴う紅斑が拡大し,ステロイド軟膏の外用で一時軽快していたが,発熱を伴って全身に環状の紅斑と膿疱が拡大した。小児汎発性膿疱性乾癬と診断し,膿疱部を中心に低濃度タカルシトール軟膏の外用を行った。開始から約2週間で膿疱の減少がみられ,全身状態の悪化もなく軽快した。その後,感冒を契機に再び皮疹が増悪したが,膿疱の再燃時も低濃度タカルシトール軟膏は有効であった。小児汎発性膿疱性乾癬に対する活性型ビタミンD3軟膏外用について,過去の報告例を参考に検討を行った。