皮膚の科学
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症例
市販鼻炎薬(ジキナ®鼻炎カプセル)による急性汎発性発疹性膿疱症の1例
吉見 宣子夏秋 優樽谷 勝仁山西 清文
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2010 年 9 巻 2 号 p. 132-136

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抄録

37歳,男性。漢方薬内服後に全身に紅斑が出現した既往がある。鼻炎症状に対し,市販鼻炎薬(ジキナ®鼻炎カプセル)を内服した後,39度の発熱と体幹と四肢に紅斑や小膿疱が出現した。血液検査では白血球増多を認め,病理組織学的に表皮内に好中球からなる膿疱を認めた。プレドニゾロン 30mg/日の内服加療を開始し,12日間で略治した。初診時に行ったジキナ®による薬剤リンパ球刺激試験は陰性であったが,皮疹軽快後にジキナ®およびジキナ®中の構成成分(プソイドエフェドリン塩酸塩を除く),およびプソイドエフェドリンを含有する生薬である麻黄を配合した漢方薬(麻黄湯)を用いてパッチテストを施行したところ,ジキナ®および麻黄湯が陽性で,他はすべて陰性であった。以上より,ジキナ®に含まれるプソイドエフェドリン塩酸塩による急性汎発性発疹性膿疱症と診断した。

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© 2010 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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