1978 年 20 巻 3 号 p. 436-441
ストマイ注射によるlichenoid drug eruptionの患者 (73才男性) の皮疹治療後, 無疹部にスト マイを局注, 24時間後の発赤部を, PPD局注24時間後の紅斑部及び無疹部をコントロールにして電顕的に検索, その最初期変化がbasal laminaに在る事, すなわちbasal laminaの膨化と不連続性を観察した。Sodium-1-Tnyroxine (チラージンS) を内服中の同症 (50才女性) の無疹部も同様所見であった。此の所見は薬剤性扁平苔癬の診断に利用し得るとともに扁平苔癬なる疾病の発症の機序を解くカギの一つになり得ると考えられよう。