皮膚
Online ISSN : 1884-541X
Print ISSN : 0018-1390
ISSN-L : 0018-1390
コルチコステロイド外用剤 (主としてリンデロン-DP軟膏) の長期, 大量投与時の血中コルチゾール値と臨床検査値の変動について
佐藤 晋一
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 27 巻 1 号 p. 93-100

詳細
抄録

過去2年間に経験した4カ月から2年にわたり, コルチコステロイド外用剤を比較的大量投与した13例を整理し, 血中コルチゾール値と臨床検査値の変動について考察を行った。対象は乾癬11例, 結節性痒疹1例, 紅皮症1例で, 血中コルチゾール値は, 1日平均3.7gから15.2gを投与後6カ月目位よりやや低下傾向は認められるが, 投与中に回復するものが多かった。多くは基準値域内の変動であった。血液生化学的検査値および末梢血好酸球数の変動とコルチコステロイド外用剤との間に因果関係は認められなかった。糖尿病患者でコルチコステロイド外用剤の影響と思われる一過性の尿糖の増加例を1例経験した。

著者関連情報
© 日本皮膚科学会大阪地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top