1985 年 27 巻 6 号 p. 1161-1165
モノクローナル抗体 (Cappel社) を用いた単純ヘルペスウイルス (HSV) の迅速な型別法について検討した。まず, ニワトリ胎児細胞におけるブラック法で既に型別したHSV1型65株, 2型15株を材料とし, この抗体のHSV型特異性を検討したところ, 前記の型別結果と完全に一致し, 交叉反応は認められなかった。次に, 顔面 (17例) と臀部 (3例) のヘルペス病巣から採取した塗抹標本にこの抗体を反応させてHSV型特異抗原を検出したところ, 同時に行ったウイルス分離・中和法による型別結果と完全に一致した。病巣から採取した塗抹標本にHSV型特異抗原を検出する方法は短時間で済むことから, HSVの型別法として非常に有用と考えられる。