皮膚
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重傷熱傷患者の治療経験
古川 雅祥中川 浩一加藤 晴久染田 幸子寺尾 淳子國行 秀一小坂 啓子福田 道夫濱田 稔夫佐谷 誠
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1987 年 29 巻 4 号 p. 753-757

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抄録

症例1: 22歳, 男性。ガソリンを使って機械を清掃中, 引火して両下肢の約90%にdeep burn, その回りと手掌部にdeep dermal bumを生じた。burn indexは34.5%であった。症例2: 23歳, 男性。シンナー常用中に引火し胸部, 腹部, 腰背部, 両大腿, 両前腕-手部にdeep burnを主とする火傷を受傷した。Bum indexは66%であった。症例3: 26歳, 女性。精神分裂症の既往がある。ガソリンによる自殺と考えられる全身熱傷で受傷した。健常部は頭部と膝関節背面のみでburn indexは90%であった。以上3例の重傷熱傷患者について報告すると共に, 受傷1週間-10日目の早期より2週間の間隔でデブリードメント, 遊離植皮を繰り返して行うこと, 遊離植皮はpatch gmftを用いること, air bedを使用して植皮片の生着率の向上と感染の防止をはかることの重要性を強調した。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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