皮膚
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皮膚真菌症に対するピルッシンクリーム・ゲルの使用経験・患者アンケート調査
比較試験
ピルツシン研究班
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1988 年 30 巻 3 号 p. 397-412

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抄録

ピルツシンクリームおよびゲルの皮膚真菌症に対する治療効果および安全性を検討することを目的として, 6施設よりなる研究班を組織し, 臨床試験を実施した。皮膚所見ならびに菌検査の結果を考慮した総合効果判定の有効率 (「有効」以上) は, 足白癬の場合, クリームで70。4%, ゲルで75.7%, 体部白癬の場合, クリームで75.0%, ゲルで100.0%, 股部白癬の場合, クリームで57.1%, ゲルで85.7%, 間擦疹型皮膚力ンジダ症の場合, クリームで88.9%, ゲルで100.0%であった。副作用は, 126例中7例 (5.6%) に認められたが, その症状は刺激感などの軽微な皮膚症状のみで, 塗布継続中あるいは, 塗布中止後に軽快もしくは, 消失した。治療効果および副作用を考慮した有用率 (「有用」以上) は足白癬の場合, クリームで69.0%, ゲルで88.9%, 体部自癬の場合, クリームで91.7%, ゲルで100.0%, 股部白癬の場合, クリームで85.7%%, ゲルで85.7%, 間擦疹型皮膚力ンジダ症の場合, クリームで100.0%, ゲルで100.0%であった。本剤のゲル剤は足白癬, 体部白癬, 股部白癬および間擦疹型皮膚力ンジダ症に高い有用率を示し, 特に急性症状に優れた効果がみられた。患者アンケート調査に基づく, クリーム・ゲル剤の使用感, 塗布感について特に差異はみられなかった。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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