皮膚
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Atypical fibroxanthoma
依藤 時子濱田 稔夫長濱 萬蔵
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1988 年 30 巻 5 号 p. 658-662

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抄録

57歳, 男性。約10年前より右前腕の小腫瘤に気付いていた。初診時, 右前腕に10×7mm大の有茎性, 暗黄赤色, 弾性硬の腫瘤を認めた。病理組織学的には, 腫瘍組織は主として渦巻状あるいは不規則に走行する多形の核を有する線維芽細胞様細胞と, 微細な泡沫状大型の胞体を有する組織球様細胞からなり, 核の大小不同はかなり顕著で, 多核巨細胞も認められた。SudanIII染色では組織球様細胞内に脂肪滴を多数認めた。核分裂像は明らかではなかったが, これらの所見よりatypical fibmxanthomaと診断した。現在までに再発は認められない。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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