皮膚
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全身に多発する皮下型サルコイドを認めたサルコイドーシスの1例
温井 緑長谷川 義博清金 公裕安原 稔
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1989 年 31 巻 3 号 p. 394-401

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抄録

41歳, 女性。全身に皮下型サルコイドを認めたサルコイドーシスの1例を報告した。臨床像は, 四肢, 背部, 胸部などほぼ全身に多発する類円形またはそれらが融合した地図状の板状硬の皮下硬結と少数ではあったが紅色結節を認めた。病理組織所見は皮下硬結および紅色結節ともに非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の像を示していた。ツ反応は陰性。DNCB試験は感作不成立。アンジオテンシン転換酵素値は上昇。血清リゾチームおよび尿中Caは高値。胸部X線, 肺CTおよびGaシンチにより, 両側肺門陰影の増大と両肺野粟粒大撒布陰影を認めた。眼所見は角膜後面豚脂用沈着物, 隅角結節, テント状周辺虹彩前癒着を示し, 肝脾腫等の多彩な臨床像を伴っていた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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