皮膚
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中枢神経症状を呈し, 皮斑様血管炎が認められたループスアンチコアグラント陽性のSLEの1例
渡邊 敦子堀沢 明子安江 隆
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1992 年 34 巻 4 号 p. 470-474

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抄録

29歳, 女。1980年に全身性エリラマトーデス (SLE) を発症。1984年に妊娠したが, 9カ月目に死産。初診の3カ月前より手足, 前胸部に樹枝状紅斑が出現した。一部はpnnched outの潰瘍となり, その治癒後にはatrophie blanche様瘢痕が残り, 疼痛が著明であった。経過中に発熱し, 頭痛, 複視, 振戦などの中枢神経症状が出現し, 臨床検査では, 抗核抗体高値, 低補体, リンパ球数減少などと共にループス抗凝固因子 (LAC) の存在が示された。脳CT, MRIでは特に異常は認められなかった。皮斑様血管炎を認めるSLEは, CNSループスの発症頻度が高いと言われており, これらの病態を生ずる, 引き金として, LACの役割が注目された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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